使用機材について

   
《機器の使用目的》

機械を使うことに否定的な人はいます。かつての店主もそうでした。
しかし、医療機器の営業さんと縁があって出会い、話をし、デモ機を使い、考えを改めました。
人間はよりよい成果を求めて機械を作るのです。
当店の考えは「手技を活かすために機械で下ごしらえをする」です。
最近の人々で考えれば、PCやスマホで情報を探したりGPSや電子制御の車が当たり前で、できることや結果が高度化しています。人の体のことをすべて機械化とはできませんが、手技療法も機器を導入することでよりよくなる。そう確信しています。

《その理由》

おおよそ国家資格の治療所もリラクゼーション業・エステ業も徒手に依ってきた方であればぶつかる壁があります。それは『防御反応』です。外部から刺激が加わった際に力が入って体が固まるのがそれです。

当初は施術者誰しもが防御反応を起こさせないように施術しますが、やがて施術者としてはもっと早くほぐしたい。お客さんとしては物足りなくなったから強くしてほしい。となります。この時、程度の弱い防御反応を乗り越えて施術すると、お客さんとしては「痛いけど効いた」と感じるわけです。

ですが、防御機構ですから体も段々と防御を固めてゆきますので、やがて施術者の力やテクニックで防御反応を乗り越えられなくなります。こうなった場合、お客さんの思うところは「前より効かなくなった」からの手抜きになった。施術者は衰えた。下手になった。といったところです。
そうなった場合、お客さんは治療院なり店なりを変えるでしょうし、マッサージチェーン店であればより力強い施術者を雇うかそのお客さんを諦めて新規客を集めることに注力するでしょう。どっちにしてもいずれ限度を迎えます。

当店は防御反応を低減させる方法として機器を導入したわけです。
繰り返しになりますが、勘違いしてほしくないのは、手技を軽視したり捨てたわけではないということ。ラジオ波は防御反応を穏やかにする手段であり、少しでもお客さんの要望に届くように施術するのが目的なのです。

   
《ラジオ波》

ラジオスティムMH2。ラジオ波というのは高周波の電磁波です。体内に流すことで、従来の温熱機器よりもっと深い部分から熱を発生させます。
特性として、低周波は皮膚がピリピリしたり、筋肉が意識に反して動くことの痛みや不快感が発生しますが、高周波は人間の神経と筋肉が反応できません。なので痛みも不快感もなく温かくて気持ちいいのです。

熱を加えることで、筋肉や腱といった組織の緊張がゆるみます。温熱のリラックス効果で神経の働きも穏やかになるので、防御反応も弱まり、施術者もお客さんも余計な体力を使わずに施術できます。

最近のプロスポーツ選手の運動後のケアはアイシングで痛みを抑えたあとに温めることにより疲労物質や発痛物質を押し流しリカバリータイムを短縮させるのが常識。それは選手だけに限らず、さまざまな現場で温熱による筋肉のケアは利用されているのです。

温熱は新陳代謝の促進、血液・リンパ循環の促進、痛みの緩和、交感神経の緊張緩和が期待されます。  

《HV&超音波》

フィジオアクティブHV&フィジオソノ。HVというのはハイボルテージ、高電圧ということ。周波数はほかの低周波機器と変わりませんが、瞬間的に高電圧を出すことでより深く電気刺激が入ります。
低周波刺激を強くしたい場合、電流を上げますが、それだと低周波特有の痛みや不快感が増します。なので高電圧で瞬間的に入れることでそれを軽減しているのです。

超音波は振動で体内に熱を与える温熱機です。ラジオ波との違いをあげると、こちらは温まる範囲や時間では遅れを取りますが、体内に金属があっても使えるメリットがあります。
ふたつまとめて紹介したのは、この2台を連結して同時に使用することができるのです。
競技後のコンディショニング用途での使用なので、電気治療は接骨院でお願いします。うちに来ても断ります。

《電気って治るの?》

電気で治らないから病院出身の柔道整復師や理学療法士は使わない。そう豪語する方がおられます。
はっきり言って不勉強です。

電気では治りません。ただし、機械だけ治そうというのは用法を逸脱しているし、電気の特性を全く理解できていないと言えます。
やり玉に上がったのは低周波でしたが、「使うと筋肉が収縮する。つまりはポンプ作用で血行が良くなり柔らかくなるだけで治ってない」という理屈でした。それ自体は間違いでもないのですが、知識が足りてません。
低周波で筋肉を収縮させる治療というものはありますが、事故などで神経支配で効かなくなり動かなくなった筋肉を強制的に動かすことで神経を再発達させるのが目的のものです。それは治療であり、自意識で動かせるようになれば治ったと言えるでしょう。
柔道整復術による外傷性のケガの治療の後療治として電気を使いますが、鎮痛ばかりを見たがりますが、神経の通りを改善するのも電気治療。それ自体は治すのではなく、回復を進める手段です。

なんとなく気づいた方がいたらとても賢い人です。
電気は筋肉に対するものではなく、神経作用なのです。低周波が直接筋肉を動かすのではなく、神経に作用した結果です。
なので電気で治らないのではなく、自身の治癒力を補助してくれる道具と認識してもらえれば幸いです。

当店にハイボルテージを置いてありますが、それはアスリートへのコンディショニング用途。もうひとつは本来使うべき筋肉ではない他の筋肉で動作することを代償動作といいますが、それにより神経はつながっているけどその筋肉の動かし方を忘れた方への対応となります。 ちなみに、ラジオ波は電気刺激ではなく温熱で筋肉に作用するものです。
繰り返しますが電気治療は接骨院でお願いします。

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